新・ことば事情
5005「峠を過ぎた」
2月26日のフジテレビの「とくダネ!」を見ていたら、大雪の青森・弘前市から男性リポーターが中継でしゃべっていました。その中でリポーターが、
「大雪は峠を過ぎた感じです」
と話していました。この、
「峠を過ぎた」
に引っかかりました。これって正しくは、
「峠を越した」
ではないでしょうか?おそらく、
「ピークを過ぎた」
との混交表現で間違ってしまったのではないかと思われます。
「ピーク」は、「X軸」という「時間の経過」がメインなので、「過ぎた」でいいのですが、「峠」は「高さ」、つまり「Y軸」がメインなので「越えた」と表現するのではないでしょうかね。
そのあたり、しっかりと使い分ける必要があるなと思いました。
ついでに、このリポーターは、
「雪の除雪作業」
とも話していましたが、これは明らかに「重複表現」ですね。
ただ、話し言葉の場合はつい、このように重複して強調してしまうこともあるので、こちらは単なる言い間違いと思えます。