新・読書日記 2013_048
『バカに民主主義は無理なのか?』(長山靖生、光文社新書:2013、1、20)
「カリスマ」は本質的に「民主主義」ではなく、「君主制」や「神権政治」に属する存在、という記述を読んで、すぐに「ヒーロー」的な政治家の存在を求める日本人は「民主主義」に向いていないのではないか?と感じた。悲しいことだが。
「タイトル」が光文社新書にありがちな「エキセントリック」なものだが、内容は、真面目な感じ。おそらくタイトルは編集者が付けたのではないか?
第1章「日本人は、いったい政治に何を望んでいるのか?~日本の民主制が危機におちいっている理由」では、「みんなと同じ」を選ぶ愚民、「勝てる戦争なら好き」という民衆が意外と多い事情を示しつつ、「お上頼み」「一揆感覚」からの脱却を勧める。2章から4章は「歴史のお勉強」のような感じ。最後の第5章で、タイトルに掲げた疑問を解き明かしていく。「日本人に欠けているのは『科学的思考』と『独立心』」、そして「リスクに鈍感な日本人」、「『学び』を拒否し、『忘却』を待つ隠蔽共同体」ではダメだと。最後にこれが決め手かな、
「『言葉』が、民主主義の基礎」
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