テレビ朝日の番組を見ていた「ミヤネ屋」のスタッフから、
「今、若いアナウンサーが、『PM2、5』のことを『ピーエム・ニテンゴ』と『2』
を伸ばさずに言っていましたけど、いいんですか?」
「いいんですか」と言われても・・・よその局のことだし。
もちろん「2」とか「5」は伸ばす、伸ばさないということがあって、大体、
「伸ばす傾向が強い」
ですが、ベテランのアナウンサーは(というか古い時代のアナウンサー教育では)、
「伸ばさない」
とされていたようです。私が教育を受けた30年近く前も、
「アナウンサーは伸ばさない」
と教わりました。その時代でも、世の中の流れは「伸ばす」だったと思いますが。
2月18日にNHKの原田邦博さんからもらったメールには、
「『PM2.5』、これも『ニーテンゴ』でしょうね。けさテレ朝では、ベテランアナウンサーは『ニーテンゴ』と言い、若いアナウンサーは『ニテンゴ』と短く読んでいました。テレ朝の別のベテランアナウンサーに『2、5』『5、5』のことを聞いたら、数字の場合、『ニテンゴ』『ニーテンゴ』、『ゴテンゴ』『ゴーテンゴ』、どちらでもよいとしているが、固有名詞のような場合は、統一する必要があるという見解でした。」
とありました。
去年12月の新聞用語懇談会放送分科会では、毎日放送の委員から、
「『12、5』を『ジュウニテンゴ』、『5、3』を『ゴテンサン』と『短く』アナウンスしている社はありますか?」
というふうな議題が出たことがありました。その際は、
(毎日放送)スポーツアナウンサー、特に競馬のアナウンサーは伸ばさない。
(朝日放送)1975年入社の、前・アナウンス部長は伸ばさなかったが、今のアナウンサーは伸ばしている。
(日本テレビ)伸ばす。
(テレビ朝日)1977年入社だが、伸ばさない。
(NHK)1961年に書かれた「数字の発音」に関する記録が出て来て、それには「レーテンニーロク」「サンテンニーロク」と、「伸ばす」ように書かれていた。
(TBS)両論あったが、「拍をそろえるために伸ばす」と決めた。だが、30年以上前の入社当時は、短く「伸ばさない」と習った。スポーツアナがみんな「短く・伸ばさない」のは、スポーツ実況にはリズムが必要だからではないか。
(毎日放送)スポーツでは伸ばさなくても違和感はないが、ニュース原稿だと違和感がある。
等の意見が出ました。
もしかしたら、伸ばすことで間延びするのを嫌ったスポーツアナウンサーが、テンポよく読むために短く言うようになり、それが「ニュース」にも入って、昔のアナウンサー訓練で使われたのではないか?という「推測」が出ました。
ちなみに私も、同じく用語委員の萩原アナウンサーも、入社時の訓練では、
「伸ばさない」
と教わったので、
「プロのアナウンサーはそう読むんだ!」
と信じて、放送では、そう読んでいます。(ytvアナウンス部でそう読むのは、今ではこの2人だけの模様)
で、最初に戻って、「PM2、5」ですが、これは伸ばして読んでいますね。伸ばさないと違和感があります。
(2013、3、9)