新・ことば事情
4994「動的平衡と『都の西北』」
福岡伸一さんの本を読んでいたら、「生命とは何か」という著書でDNA、二重らせん構造の解明に影響を与えたシュレジンガーの言葉が出てきました。そこには、
「生命とは秩序を保つものである」
という一言が。それを読んでハッ!と思い浮かんだのは、なんと母校・早稲田大学校歌・「『都の西北』の3番の歌詞」である、
「集まり散じて人は変われど 仰ぐは同じき理想の光」。
です。これって、福岡さんが常日頃主張している、
「動的平衡」
ではないか?と。人間個体も「動的平衡」を保っているけれども、「組織」も常に同じメンバーではないが「同じ一つの学校」であるとか「会社」であるとか、そして私たちで言えば「番組」であるという形を持っている。それはメンバーが変わっても「スピリット」が変わらないという部分で、常に変化していてしかも一定であるということではないか。そう思ったのです。
個体も組織も「秩序」というものがあるのだなと、改めて思った次第です。