新・ことば事情
4990「国技とお家芸2」
「平成ことば事情4977国技とお家芸」を書いた後に、今度はオリンピック種目から「レスリング」が外される危機が!このニュースでも盛んに「レスリング」のことを、
「お家芸」
と表現していました。
どうも日本は「格闘技系がお家芸」と評されることが多いようですね。「相撲」と「柔道」は「発祥の地が日本」であるということでしたが、「レスリング」の発祥は「日本ではない」にもかかわらず「お家芸」と言われます。あ、そうそう、格闘技ではないですが、
「体操」
もしばしば「お家芸」と言われます。それは、
「オリンピックでたびたび(金)メダルを獲得していること」
が、その根拠のようですね。つまり、
「得意分野」
を指して「お家芸」というのではないでしょうか。
ちなみに、先日の新聞用語懇談会放送分科会で、
「放送で、『相撲』を『国技』と言いますか?」
という質問をしたところ、「国技」と認めている社は1社もありませんでした。ただ、
「国技として親しまれている相撲」(NHK)
だとか、
「いわゆる"国技"」(フジテレビ)
といった表現はすることがあるということでした。またフジテレビの委員が、相撲担当のアナウンサーに聞いたところによると、
「明治時代に、新聞記者が『相撲』を『国技』と書いたことから広まった表現らしい」
という話もあると、披露してくれました。