新・ことば事情
4989「報道声明」
2月13日の「ミヤネ屋」で、
「国連安保理の『報道声明』」
に関してパネルで紹介しました。しかしちょっと待った!安保理の、
「共同声明」
というのは聞き慣れていますが、
「報道声明」
というのは聞いたことがありません。スーパーと原稿は、
「北朝鮮に対する『非難声明』」
に変えたのですが、パネルはそのまま出ました。
ところが放送後にもう一度調べてみたところ、
「『報道声明』というものもある」
ことがわかりました。
「大辞林」によると、安保理の「報道声明」とは、
「報道声明=国連安全保障理事会による問題対応策の一つ。当事国に自制を求めるなど、事態の改善を促す声明を報道向けに発表する。採択には全理事国の合意が必要だが、拘束力はなく、非公式な意思表明とされ、重要度は安保理決議や議長声明よりも低い。」
とのことです。つまり、安保理の生命の中の重要度は、
「安保理決議」>「議長声明」>「報道声明」
ということですね。
「議長声明」は、『知恵蔵2013年版』(ネット)によると、
「議長声明=連安全保障理事会(安保理)の慣行。ある事態に対する安保理の意思表明として示される、文字どおり議長の声明だが、議長が独自に行うのではなく、安保理の意思を間接的に伝えるもの。公式資料にも『安保理議長は......と判断する』といった文章ではなく、『議長は安保理に代わって以下の声明を行う』という文章を添えた上で、『安保理は......と判断する』といった、安保理決議と同じ文章が続く。安保理決議にしたのでは意思表明が強すぎるような場合によく用いられる。北朝鮮ミサイル問題の際に突然現れたのではなく、ふだんからよく用いられ、例えば05年の場合、決議71本に対し議長声明は65本である。法的拘束力(守るべき義務)はない。」
ということでした。
では「共同声明」との違いは何か?これがよくわかりません。「共同声明」は、
「2か国あるいは3か国以上が共同で発表する声明」
としかわかりません。グーグル検索では(2月13日)
「安保理共同声明」=6万4500件
「安保理報道声明」= 2290件
でした。