新・ことば事情
4987「まなかい」
本を読んでいたら、
「まなかいに比良の稜線」
という文章が出てきました。「まかない」ではありません、「まなかい」です。
この、
「まなかい」
の「まな」は「まなこ=目」でしょう。すると、残りの「かい」は何?似た言葉としては、
「はすかい」
が思い浮かびます。ほかには、
「行き交う」
という動詞も思い浮かびます。その「交う」が「かい」と、
「連用形の名詞化」
したのでしょうか?辞書を引いてみましょう。『精選版日本国語大辞典』。
「まなかい(眼間・目交)」=(目(ま)の交(か)いの意)目と目の間。転じて、目の前。まのあたり。
やっぱり、想像通り!用例は、なんと8世紀後半の「万葉集」です!
さらに「補注」として、
「かひ」については、「山のかひ」「潮かひ」といった上代語があるところから、「交ふ」という動詞とは無関係な「間」の意の名詞と考える説もある。
え!そうなの「交ふ」ではなく「間」の意味という説もあるのか!それは勉強になりました。でも「交ふ」とする説もあるんですね。両方、覚えておきましょう。