新・ことば事情
4972「過去問」
私が学生時代・・・30年以上前にはなかったが今は学生(受験生)たちが普通に使っている言葉の一つに、
「過去問」
があります。「カコモン」と読みます。意味は、
「大学(高校・中学・小学校)受験で、過去に出題された問題」
と私は理解しています。この言葉は、国語辞典に採録されているのでしょうか?
調べてみると、『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』には載っていませんでしたが、『広辞苑』には載っていました。
「過去に出題された試験問題」
また、『三省堂国語辞典』には「俗語」として、『広辞苑』と全く一字も違わない(まったく同じ)説明が載っていました。『新選国語辞典』にも、やはり「俗語」として載っていました。
「以前に出題された入学や資格の試験問題。」
なるほど「入試」だけでなく「資格試験」でも「過去問」は使われているということですね。
さらに、米川明彦先生編『日本俗語大辞典』にも載っていました。
「過去の試験問題。(用例)『現代用語の基礎知識2003年版』より「過去問(かこもん)=過去の入試問題、資格試験、定期試験などの問題のこと」
ということで、「定期試験」も含まれるのですね。そして、すでに2003年(もしくはそれが売り出された2002年)には、使われるようになっていたということですね。
また、アクセントに関してですが、関西では「カ/コ\モン」と「中高アクセント」で呼ばれますが、おそらく共通語では「カ/コモン」と「平板アクセント」になるのでしょう。なんか、「ポ/ケモン」みたいだな。余談になりますが、関西で「ポケモン」は、
「ポケモ/ン」
と最後の「ン」だけが上がるアクセントです。