新・ことば事情
4969「『インビトロ』と『インビーボ』」
これも薬剤師の77歳の母の話。先日、文字が大きい版の『現代用語の基礎知識2013年版』をあげたのですが、それが使いやすいと。まず字が大きいのがいい。次に、他の辞書に載っていなことちゃんと載っていると。その具体例が、
「『インビトロ』と『インビーボ』」
だったのというのです。何、それ?と聞くと、
「薬の試験には『生物の体内で行うもの』と、『試験管の中で行うもの』があるんやけど、どっちがどっちの名前か忘れてしまったんでそれを調べようとした」
とのこと。ふーん。で、わかったん?
「生物の体内で行うのが『インビーボ』で、試験管の中で行うのが『インビトロ』やった」
ということでした。この言葉が何語なのか?おそらくラテン語系統と思いますが、「イン」は英語と同じ「~の中」という意味だと思いますが、「ビーボ」は「ラテン語」で「vivo」。あ、ラテン語の「甘い生活」(dolce vita)の「生活」が「vita」だし、森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』の「ヰタ」も「生活」=「vita」だし、音楽用語(イタリア語)の「元気よく」は「vivace」だし、ラテン語の「vi―」と言うのは「生きる」という意味がありそうですね。
それにしても『現代用語』が役に立ってよかった!