新・読書日記 2013_030
『吉本隆明という「共同幻想」』(呉智英、筑摩書房:2012、12、10)
難しゅうて、やがて悲しき吉本隆明。
亡くなってから、こんなにケチョンケチョンな弔辞を読まれるのは、悲しい。でも、正しい見方であれば仕方ないという感じか。本書の最後に、
「言論にとって義とは何か。如上の倫理を世に問うてみたい。擬制の終焉を迎えるためにである。」
とある。終章のタイトルは、
「吉本隆明って、どこが偉いんですか?」
つまり「裸の王様の告発」が、呉智英のやりたいことであり、真骨頂なのだ。
star3