新・読書日記 2013_009
『つぎはぎ仏教入門』(呉智英、筑摩書房:2011、7、25第1刷・2011、12、5第4刷)
『知的唯仏論』(サンガ)での宮崎哲弥氏との対談の中で、宮崎氏が再三にわたって「これは『つぎはぎ仏教入門』に書かれているんだけど・・・」と引用された本。呉智英氏は、仏教徒ではない。その視点から見た仏教の矛盾点・問題点や、良いところなどがわかりやすい形で指摘されている。しかし「わかりやすい」と言ってもかなりレベルは高く、深い問題を追及しているように思う。「ブッダは、お経を唱えなかった」「ブッダの髪は、螺髪(らほつ)ではなかった」「ブッダは、仏像を拝まなかった」など、言われてみれば「なるほど!」という「目からうろこ」(これはキリスト教の比喩)の記述が満載である。
そして、日本の「大乗仏教」というのは、インドの「小乗仏教」が中国を経てこの列島に伝わるまでの間に、形を変えて来たんだなあと、改めて思った。
star3_half