新・ことば事情
4949「ドレミの起源」
2012年3月6日経新聞夕刊のコラム「プロムナード」で、作家の冲方丁(うぶかた・とう=1977年2月14日生まれ)さんが、
「『ドレミ』は、なぜ『ドレミ』」なのか」
という興味深いことについて書かれていました。それによると、「ドレミファソラシド」の起源は、聖ヨハネを称える聖歌、
『ウト・クエアント・ラクシス(Ut queant laxis)』
から来ているのだそうです。その「歌詞の最初の音」が順番に高くなっていくので、音階名として採用したとのこと。そのラテン語の歌詞とその意味は、
(ド)Ut Queant laxis(あなたのしもべたちが)
(レ)resonare fibris(弦をかきなでて)
(ミ)Mira gestorum(あなたの素晴らしいみわざを)
(ファ)famuri turorum(和やかな気持ちで称えられるように)
(ソ)Solve polluti (どうか彼らの汚れた唇の罪を清めて下さい)
(ラ)labii reatum
(シ)Sacte Iohannees (聖ヨハネよ)
続けて意味を書くと、
「あなたのしもべたちが、弦をかきなでて、あなたの素晴らしいみわざを、和やかな気持ちで称えられるように、どうか彼らの汚れた唇の罪を清めて下さい、聖ヨハネよ」。
「ド」と「シ」だけ冒頭の音が違っていますが、「ド」については、諸説があり、
「Utが訛ってDoになった」
という説や、
「主(神)を意味するラテン度『ドミネ』の「ド」からきた」
という説もあり、冲方氏は後者の「主(神)を意味するラテン語『ドミネ』の『ド』からきている」という説に納得しているそうです。
「シ」は、「Sacte Iohannees(聖ヨハネよ)」の2語の頭文字「S」と「I」から取ったのでしょうね、おそらく。
この音階を採用したのは、11世紀のイタリアの修道士「グィード・ダレッツィオ」いう人だそうで、そのダレッツィオは、記譜法の発明者でもあったとのこと。
わかってはいましたが、
「ドはドーナツのド」
ではなかったのですね!あれは、「ペギー葉山さん」の作詞ですもんね。
大変、勉強になりました!
この「ドレミ」の話、新聞記事を切り抜いておいたのだけど行方不明になっていて、10か月以上たって、ようやく書けました。