新・ことば事情
4938「シュッとした」
「ミヤネ屋」が終わって、翌日の打ち合わせまでの間の短い時間に、川田アナウンサーの発言を巡って盛り上がりました。彼女は、
「シュッとした」
という言葉を口癖のように使うのですが、それが実は、
「大阪弁」
だというのです。そして、そのことに気付かずにしゃべっていることを、他のスタッフから指摘されていた(からかわれて)のです。それを聞いて初めて私は、
「そうか『シュッとした』というのは大阪弁なのか!」
と思い至りました。それまでは「大阪弁」という意識はありませんでしたが、言われてみると確かに、標準語(共通語)っぽくはありません。関西以外出身のスタッフも、
「大阪に来て初めて耳にした言葉。最初は意味が解らなかった」
と口々に言います。
え、そうなの?「擬態語」にも方言があるの!?標準語で同じ意味の言葉は何か?と考えたときに出て来た言葉は、
「きりりとした」
でした。大体「シュッとしている人」とは、
「背は高くて細身で、引き締まっていて、物腰・態度もきびきびしているようなイメージ」
です。Google検索では(1月9日)
「シュッとした」 =642万0000件
「シュッとしている」= 63万2000件
も出てきましたが、そのトップに出て来た「シュッとした」では、
「主に関西方面の女性が男性を形容する場合に用いるといわれている」
「外見的意味合いとして『スタイルが良い、スラッとしている、スッキリしている、姿勢がよい、かっこいい、キマっている』、内面的意味合いとして『粋、クール』、この両方を満たす時に使うのではないか?」
という意見が載っていました。また、これを書いた人によると、「シュッとしている女性」を違う表現で形容をすると、
「小股が切れ上がっている」
に似ているか?と。それに意見を寄せている人によると、「シュッとしている」は、
「よそいき」「垢抜けしている」「洗練されている」
といったイメージ。つまり、いわゆるステレオ・タイプの大阪を形容する、
「コテコテ」
とは"正反対"の表現のようですね。
「もっさりしている」(標準語だと「ダサい」か?)
等も「シュッとしている」とは"正反対"の言葉ですね。
なお、「シュッとした」は、4年ほど前に読売テレビの『秘密のケンミンSHOW』でも取り上げられたそうです。見てなかった・・。
また、『大阪ことば事典』(牧村史陽)には「シュッとした」「シュッとしている」は載っていませんでした。