新・ことば事情
4936「奥歯に物が詰まったような」
12月25日の「ミヤネ屋」で、ほしのあき&三浦皇成騎手夫婦の「浮気」の噂について報じていた時、スタジオのパネリストは「おっさんばっかり」(宮根氏談)で、なんとなく話しにくいような雰囲気になったのをさして、女性の川田裕美アナウンサーが、
「なんですか、奥歯に物が詰まったようなしゃべり方して」
と突っ込んだんですが、これは間違い。正しくは、
「奥歯に物が挟まったような」
ですね。私も実際によく経験があるんですが、奥歯に物が詰まったら(つまり、奥歯の真ん中に、虫歯による大きな穴ボコがある状態)、結構それはそれで安定してしまいます。
一番気持ちが悪くてイライラッとするのは、奥歯とその手前の歯の隙間に、そうですねえ、トリのささみとか、そう、年越しそばの身欠き鰊(ニシン)なんかが挟まった時です。取れそうで取れなくて、ちょっと歯の隙間からその異物が飛び出して引っかかり、舌触りが悪い。舌で、取ろうとしても、取れない。こんな状態が、とっても居心地が悪いのです。似ているようで全然違います。
川田アナウンサーも、ぜひ、いっぺん、「奥歯に物が挟まった状態」を味わってほしいと思いました。百聞は一見にしかず、です。