新・ことば事情
4924「丈」
12月27日、今月初めに57歳の若さで亡くなった、歌舞伎俳優の中村勘三郎さんの本葬が行われ、その様子を「ミヤネ屋」でもお伝えしました。
そのスーパーをチェックしていたら、テロップのオペレーターの男性から、
「道浦さん、すみません、これは『大葬儀』でいいんでしょうか?それとも『本葬儀』?」と聞かれたので、発注用紙に手書きで書かれた文字を見ると、
「中村勘三郎丈葬儀告別式」
と書かれていました。「大」でも「本」でもなく、
「丈」
これは「じょう」と読みます。『広辞苑』を引くと、
「歌舞伎俳優の芸名の下に添える敬称」
とありました。もともとは「尉」「丞」等の字が起源で、江戸中期(明和・安永年間)ごろから「丈」の字をあてるようになったそうで、
「市川團十郎丈」
のように使うとのこと。
そういえば、なんとなく見たことはあったけど、「歌舞伎俳優の敬称」でしたか。
それにしても手書きだと「大」と「丈」は区別がつきにくいから要注意ですね。