新・ことば事情
4903「ロンドンっ娘」
11月29日の「ZIP!」を見ていたら、イギリスはロンドンの女の子たちにインタビューしていました。その彼女らを指して、字幕では、
「ロンドンっ娘(こ)」
と出ていたのですが、アナウンサーは、
「ロンドンコ」
と、小っちゃい「っ」は、読んで(発音して)いませんでした。
実際、小さい「っ」を入れて言ってみると、とても言いにくいですからね。
「江戸っ子」「浪速っ子」「パリっ子」
のように、小っちゃい「っ」の前が「ど」「わ」「リ」などであれば、小っちゃい「っ」を入れてから「子」と繋げても言いにくくありませんが、「ロンドン」に「子」を付けた場合に小っちゃい「っ」を付けると、その前は「ン」になってしまいます。「ン」のあとに小っちゃい「っ」を付ける、つまり、
「撥音の後に促音で発音する」
のはとても難しい。発音しても、「ん」で母音が付いていない上に促音で詰まるのですから、実際の音として出て来ないということがあるのではないでしょうか?
その辺りを、字面で「パリっ子」「江戸っ子」と同じように書こうとした結果、発音のことまで考えていなかったのが「ロンドンっ娘(こ)」なのではないか?
まあ、言えなくはないですが、とっても言いにくいというのは確かですね。小っちゃい「っ」がない方が、絶対言いやすいです。