新・ことば事情
4896「ちょっと昔の"孤独死"」
大滝秀治さんが亡くなりました。
森光子さん、山田五十鈴さんと、今年は高齢の大御所が相次いで亡くなった年でもありました。(桑名正博さんは、まだ若かったんだけど・・・)
その大滝さんの出演したドラマを、先日、NHKで放送していました。
『オールドフレンド』
という作品です。土曜の昼下がり、つい見入ってしまいました。
高速道路の料金係に再就職して働いている、奥さんに先立たれて一人娘と暮らすちょっと偏屈な主人公が、その職場での「オールドフレンド」との付き合いや、婚約者を家に連れて来る一人娘の結婚問題、仲間が出勤してこないと思っていたら死んでいて、その葬儀にやってきた息子は、もうおやじのことなどなんとも思っていない様子などが描かれ、その後、料金所の仲間と二人で旅に出るが、なかなか楽しめない・・・。「老い」と「孤独」、「生きがい」がテーマかな。
この作品が作られたのが、1991年。つい20年ほど前です。あ、「ふた昔前」か。「ソ連」が崩壊した年だな。「平成(3年)」なのに「昭和」の香りがプンプンするドラマでした。そのドラマの中で、
「78歳の一人暮らしの老人が死んでいる」
というシーンが出てきます。テレビニュースでも老人が一人で死んでいるのが見つかったと伝えています。
「孤独死」
は、ここ数年「孤立死」とともによく取り上げられましたが、20年前からすでに出現し始めていて、その数が最近増えた(老人の数が増えた)だけではないか、と改めて思いました。