新・ことば事情
4891「チャンスメーク」
2012年11月16日の深夜のテレビ東京のスポーツニュースで、女性アナウンサーが、
「チャンスメークします」
と原稿を読んでいるのを耳にしました。これって、これまでは、
「チャンスを作ります」
としていた文章でしょう。「名詞」がカタカナ語に置き換わるのは、それほど不思議なことではありません。しかし、「動詞」までカタカナ語化すると、はやり始めた頃には叩かれた
「ゲットする」
のように、かなり違和感があります。
日本人がみんな長嶋監督(今は「終身名誉監督」か)になってしまうような危機感を覚えます。いや、長嶋さんが悪いと言っているわけではありませんが。そんな「メークミラクル」はあり得ないですし。古いな、どうも。
とはいえ、
「デパートがオープンしました」
「きょうからスタートしました」
のように「オープン」「スタート」などは、もう日本語化していますし、「絶対におかしい」とは言い切れないのも、たしか。どの辺にラインを・・あ、線を引けばいいのでしょうかね?
スポーツの分野では、どうしてもカタカナ語が使われる傾向にあり、それが「専門的」に聞こえるということがあります。
そういう意味で「スポーツニュース」って微妙な存在だと思いますね。あんまり「スポーツ側」に寄り添いすぎてもいけないし、かと言って、完全に「他人」「素人」では信憑性がなくなってしまうし。その匙加減が難しいですね。