新・ことば事情
4861「二足のわらじ3」
「平成ことば事情3366」で「二足のわらじをはく」、「平成ことば事情3868」では「二足のわらじ」、「平成ことば事情4508」では「二足のわらじをはく2」というタイトルで同じようなことを書いていますが、それの第4弾です。
2011年(去年)12月に開かれた新聞用語懇談会放送分科会で、私が
質問したものの中に、
「二足のわらじ」
の使い方に関するものがありました。というのは、本来、「二足のわらじ」という言葉は、
「泥棒と警察」
のように、
「本来は両立しにくいような2種類の職業を兼ねること」
をいうのですが、最近は、
「単に2種類の仕事を兼ねること」
の意味でよく使われているからです。各社の対応はどうか?と聞いたところ、
(NHK・共同通信)ある程度、2つの職業が離れていれば使っても良い。
(TBS)本来の意味では今はあまり使われていないので、仕方ないかなと。
(日本テレビ)相反する職業でなくてもいいが、あまり近い(似ている)職業に使うのはダメ。
(フジテレビ)多少ギャップがあって意外性がある場合に使う。「映画監督が役者も」という場合には使わない。
(テレビ東京)ある程度、本業とは違う職業でないと使わない。
(MBS)本来の意味は教えるようにしているが、意外性のある職業であればOK。
(ABC)「二足のわらじ」はOAではあまり聞かない。
(関西テレビ)「二足のわらじ」の本来の意味を初めて知った。ちょっと違う程度でもOKかと思っていた。
(テレビ大阪)どのくらい離れているか?はその時々の判断。ただ「昼はうどん屋、夜はステーキ屋」のようなものはダメ。
(NHK)アクセントは本来、×「ニ\ソクノワラジ」→○「ニ/ソクノワラジ」。「魚を
三枚におろす」のアクセントも、×「サ\ンマイニ・オ/ロ\ス」→○「サ/ンマイニ・オ/ロ\ス」。
という話でした。ご参考までに記録しておきます。