新・ことば事情
4859「シェフ」
「ミヤネ屋」の世界電波ジャックのコーナーを担当している中埜ディレクターからの質問、
「『シェフ』という言葉は『料理長』にしか使えないんでしょうか?」
国語辞典を調べてみると、確かにフランス語経由の
「シェフ」の意味は「料理長」
です。だって英語で言えば「チーフ」だから「長」じゃないとおかしいよね。
でも実際は、マスコミにおいては、単に、
「コック」「料理人」
の意味で使われていることが多いんではないでしょうか?そしてそれに対して誰も異議を唱えない。もちろん、料理の専門家は、そういった間違った使い方はしないんでしょうけど。中埜ディレクターに、
「『コック』と呼んだら?」
と言うと、
「『コック』だと、何だか日本の『町の洋食屋さん』のようなイメージなので...海外のレストランというイメージなので『シェフ』を使いたいんです」
と言います。
今回、取材で取り上げた人は、スペイン・バスク地方で働くレストランでは、
「オードブル部門のチーフ」
をしているということだったので、彼に関しては「シェフ」を使うことにしました。そして、ほかの「コックさん」たちは、
「料理人」
という日本語を当てはめることにしました。
そもそも「シェフ」はフランス語、取り上げたのはスペインの料理店なのだから、「シェフ」にこだわらなくてもいいのですが、「ヨーロッパのイメージ」ということですね。