Top

『道浦TIME』

新・ことば事情

4859「シェフ」

 

「ミヤネ屋」の世界電波ジャックのコーナーを担当している中埜ディレクターからの質問、

 

「『シェフ』という言葉は『料理長』にしか使えないんでしょうか?」

 

国語辞典を調べてみると、確かにフランス語経由の

「シェフ」の意味は「料理長」

です。だって英語で言えば「チーフ」だから「長」じゃないとおかしいよね。

でも実際は、マスコミにおいては、単に、

「コック」「料理人」

の意味で使われていることが多いんではないでしょうか?そしてそれに対して誰も異議を唱えない。もちろん、料理の専門家は、そういった間違った使い方はしないんでしょうけど。中埜ディレクターに、

「『コック』と呼んだら?」

と言うと、

「『コック』だと、何だか日本の『町の洋食屋さん』のようなイメージなので...海外のレストランというイメージなので『シェフ』を使いたいんです」

と言います。

今回、取材で取り上げた人は、スペイン・バスク地方で働くレストランでは、

「オードブル部門のチーフ」

をしているということだったので、彼に関しては「シェフ」を使うことにしました。そして、ほかの「コックさん」たちは、

「料理人」

という日本語を当てはめることにしました。

そもそも「シェフ」はフランス語、取り上げたのはスペインの料理店なのだから、「シェフ」にこだわらなくてもいいのですが、「ヨーロッパのイメージ」ということですね。

(2012、10、7)

2012年10月10日 09:57 | コメント (0)