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『「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる』(佐藤健太郎、光文社新書:2012、9、20)
「安全」と「安心」は違う。たとえ「安全」であっても、それをちゃんと説得して納得させる術を持たないと、人は「安心」しない。そこまでの努力をするべきだ。そう思ってきたが、それは「100%」を求めることになると。普段は「完全=パーフェクト」など「あり得ない」と思っているけど、こと「安全」に関することだと「ゼロリスク=完全」を求めている自分に気付いた。結局この地球で、日本で生きている、限りある命の生き物であると「ゼロリスク」はあり得ないという著者の主張には納得した。「放射能」「原子力」に関しても、もっと冷静な目を持たないといけない。とはいえ、去年の東日本大震災後の福島原発の様子、それを管理する人たちの様子を目の当たりにすると、「理性と感情は違うんだ」というスタート地点に戻ってしまうのだが・・・。