新・ことば事情
4847「男好き」
「男好き」「女好き」
という二つの似た言葉について考えてみました。
「好き」
の前の言葉は「男」「女」と立場が違うように見えますが、実はどちらも「主語は男」ですね。つまり、
「女好き」=「女のことを、とても好む男」
「男好き(がする)」=「男が好みそうな女」
なのです。
「○○好き」
という言葉の「○○」は、
「ワイン好き」「音楽好き」「サッカー好き」「本好き」「お菓子好き」
のように「好きな対象となるもの」が入り、
「○○というものが好き」
という意味になるのが普通だと思うのですが、こと「男好き」だけは、「男(というもの)が好き」ではなく、
「男が好みそうな、好きになりそうな(女)」
という意味なので、ほかの「○○好き」とは種類が違うのですね。「○○が好き」という意味であるとすると「男好き」は助詞の「が」が脱落した形ですね。
つまり、ちょっと難しい日本語なのではないでしょうか。日本語を学ぶ外国人には、なかなか理解されないのではないかなあ。