新・ことば事情
4840「ヒポクリットとカバ」
私の所属する男声合唱団が、9月に「おたまじゃくし音楽祭」というコンサートに出演して、「黒人霊歌」を2曲歌いました。その練習をしていた時のこと。
黒人霊歌はこれまでにも何度も歌っていますが、ちょっと間をあけると忘れてしまったりするので、何度も何度も繰り返し練習します。その中で、もう英語の歌詞の意味も全部わかっていると思っていたら、先輩のMさんが、「イノセン・ラム」と言う曲の中に出てくる歌詞について、
「なんでここに突然『カバ』が出てくるんやろなあ」
と言うではないですか。ああ、たしかに。
「hypocrite」
という歌詞です。「ヒポクリ」・・・カバ・・・「イノセント・ラム」と言うタイトルから「羊」何で、「カバ」も出てくるのかな?聖書の中に出てくるんではないでしょうか?
と思っていたら、なんと「hypocrite」、辞書を引いてみたら、
「偽善者」
という意味でした!ああ、「偽善者」を「カバ」を間違えるなんて、もう・・・カバ、いや、バカ。
「カバ」は 「ヒポポタマス」(hippopotamus)でしたね。俗語では「ヒッポ」(hip)で似ていますが。
「hypo」を引くと、
「下に、以下、少し」
の意味がありました。つまり「hypocrite」は
「クリティカル以下」「批判以下」
ということか。それが、
「偽善者・ねこかぶり」
戸言う意味になるんですね。「ヒポクラテス」の人名の意味は?「偽善」の「hypocrite」と関係があるのかな?
「hypostasis」は、哲学用語で
「本質、実体、実体化」
だそうです。「stasis」は、「本質」かな。病理用語では、
「体流液の停止、血行停止。比喩的に停滞、沈滞」
だそうです。あ、「ホメオスタシス」の「スタシスか」!どんどんつながっていくぞ!
「ホメオ」は「ホモ(=同質)」と言うことですね、きっと!みんな名前が意味を表しているんですね。ギリシヤ語や何かなので、我々が言葉の意味が分からないだけで。
「hypo」が「下に、以下、少し」ということは、「hypostasis」は「stasis(本質)」のその下、ということは、
「形而下」
つまり「実体」ということなのでしょうか?
どんどん話が膨らみますが、面白いですね、「ピポクリ」