新・ことば事情
4839「野球の9番の読み方」
先日の新聞用語懇談会放送分科会で出た「日々の事例」の中に、
「野球の打順の9番の読み方」
という議題がありました。朝日放送の委員から、
「先日、プロ野球と高校野球のニュースを読む際に、原稿に『9番』があり、ためらうことなく『くばん』と読んだところ、ディレクターから『きゅうばん』で読み直してくださいと言われたが、納得いかない。他局の皆さんのところではどうされているのか?」
という質問が出たのです。
これに対する各社の答えをまとめると、
「昔は『クバン』と言えと、先輩アナウンサーに教わった。『キューバン』と読むと『おまえはキューバン・ボーイズか!』とからかわれた。しかし今は『キューバン』。各球場のウグイス嬢も、プロ野球・高校野球とも『キューバン』と言っている。」
「関連で『四国八十八か所』の『九番札所』も、ユー・チューブで聞くと『キューバンふだしょ』と言っている・・・。」
「ベートーベンの『交響曲第九番』のことをNHKは『ダイク』と言う。」
「毎日放送は『ダイクバン』と『番』を付けて言う」
という意見も出ました。
こと、野球に関しては、「9番」はもはや「キューバン」のようですね。
なお、「4番バッター」の「4番」は、いまだに「ヨバン」が優勢で、「ヨンバン」とは言わないそうです。「ヨンバン」とは、「呼ばん」。
(追記)
2015年8月17日の夜7時のNHKニュース、高校野球のニュースで、「秋田商業」対「仙台育英」の試合を伝えた女性アナウンサーが、
「9番・工藤」
の「9番」を、
「キューバン」
と呼んでいました。「工藤(くどう)」だけに、ここは、
「クバン・クドウ」
と「韻」を踏んでほしかったです。
(2015、8、18)