新・ことば事情
4834「ひとよぎり」
何年か前に、わたしの所属する合唱団で「日本の笛」という曲集を演奏しました。その際に出て来た歌詞の中に、
「ひとよぎり」
というのがありました。これを私は、
「一夜限り」
の意味にとらえていたのですが、先日、『倍音』という本を読んでいたら「あっ!」と驚きました。そこにはこのように書かれていました。
「一節切(ひとよぎり)。室町時代の尺八。一尺八分・約33センチ。日本の笛でひとよぎりは出てくる。節の数は一つ。指孔は表に4つ、裏に一つ。吹き口の形は現在の尺八とほぼ同じ。現在の尺八は節の一治7つ。指孔は表に4つ、裏一つ。」
「ひとよぎり」というのは「尺八」の名前だったのか!知らなかった!
なかなか、風情のある名前の付け方ですね。