新・ことば事情
4826「昭和な人」
電車の中で、
「昭和な人やなー」
という言葉が耳に入ってきました。
「めっちゃ昭和や」
という声も。40代半ばぐらいの、私より少し若いぐらいの人たちのグループでした。ここでの「昭和な」は、
「レトロな」「古風な」「古い」「時代遅れの」
という意味で使われています。ところで、
「明治の人」
という表現は「昭和」になっても使われました。これは、
「一本気な」「頑固な」「古風な」
というような意味で使われていました。その一方で、
「大正の人」
という物言いは、昭和の時期にあったのでしょうかね?あまり耳にしなかったように思うのですが。「大正」は15年弱と期間が短かったから、それほどそういった表現は定着しなかったのでしょうか?
そう考えていたある日、「アッ」と思い出しました。亡くなった、大正生まれの祖母からもらった手紙に、祖母が今度「同窓会」に行く話があって、そこで、
「大正の娘さんたちと楽しんできます」
といった表現が、たしかあったのです。
「大正の人」もあったのですね、きっと。