新・読書日記 2012_145
『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』(小暮太一、星海社新書:2012、4、25第1刷・2012、7、2第5刷)
「星海社新書」という聞き慣れない新書は、この手のビジネス書をメインに扱うようだ。タイトルは惹かれるものがある。目次を見ると、「しんどい働き方は根本から変えていこう」「僕たちの『給料』はなぜその金額なのか?」「僕たちは『利益』のために限界まで働かされる」「僕たちは、どうすれば『高い給料』をもらえるようになるのか?」「年収1000万円になっても、僕たちには『激務』だけが残る」「僕たちが目指すべき『自己内利益』の増やし方」「僕たちはどういう『働き方』を選択すべきか」「働き方を変えて、生き方を変えよう!」と、こう並べただけで、内容はもうおわかりかと思う。ビジネス書は大体、目次を読めば内容はほぼわかる。それでわからないビジネス書は、すでにビジネス書ではない。(「説明の要領が悪い」ということだから、ビジネスの役に立たないであろう)
と、いうことは、わざわざ買わなくても立ち読みで事足りる・・・となってしまっては身もふたもないが、要は、同じ結果(内容)をいかに対象読者に引き付けて書けるか?ということになるか。この目次でも「僕たちは」という惹句を使い、対象年齢が「若い男性」ということが透けて見える。(大体ビジネス書はそうだけど。中高年向けもありますが)そこに「同じ立場なんだよ」という意識を持たせているのだろう。
内容で頭に残ったのは、「華やかな注目を受けている産業は、その知識・技術が陳腐化するのも早い」「斜陽産業の方が身に付けた知識は長持ちする」というところ。まぁしかし、斜陽産業が生き残っていれば、知識・技術は長持ちするが、そもそもその産業が完全にすたれてしまえば、せっかく長持ちした知識・技術を役立てる場がなくなってしまうのだが・・・。
若い人、20代後半ぐらいの人に読んでほしい本だと思う。
(☆3つ)