新・読書日記 2012_137
『養老孟司の大言論 嫌いなことから人は学ぶⅡ』(養老孟司、新潮社:2011、3、25)
都市では「同一性」が優先される。宗教も、八百万の神より「単一神」。合理的ではある。しかし"保険"の観点からは、「同一性」「単一性」は危険なのではないか?と思うのだが。そして、「都市」は「合理化」の巣。「合理化」とは、単位時間あたりの生産量や消費量が多いこと。現在を中心とした短期間の利便性を考えると、50年以上先のことを考えるのは合理的ではない。合理性と安全性は背中合わせである。合理化を究極に進めた場合の破談点はどこなのだろうか?
最初の方は、いつもの養老先生の「独り言のつぶやき」のようにも思えたのですが、途中から非常に示唆に富む文章になっていったような感じがしました。
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