新・ことば事情
4811「サーブのアクセント」
ロンドン五輪のバレーボール女子の中継を見ていました。すると、
「エースのビーティーのサーブです」
というコメントの「サーブ」のアクセントが「平板アクセント」で、
「サ/ーブ」
でした。普通は・・・と言うか、本来は、「頭高アクセント」で、
「サ\ーブ」
だと思いますが、いわゆる「専門家アクセント」では「平板アクセント」なのでしょう。
去年から今年にかけて、外来語のアクセント(アクセントによって意味が変わる外来語一覧)に関して、新聞用語懇談会放送分科会で、話し合いました。その際には、
「いわゆる『専門家アクセント』の『平板化したもの』は、放送ではできるだけ使わない」ことを原則とするというものでした。でも、「もう定着しちゃったものは仕方がない」ということでもあったのですが。
たとえば、
*「ド/ラ\イバー」(中高)=運転者
*「ド/ライバー」(平板)=工具、ゴルフ、コンピューター
となっていたのですが、実は「工具」の場合は「中高アクセント」もあるということで、「工具」は表から除外されました。
また、「ラップ」も、
*「ラ\ップ」(頭高)=トラック1週・プール片道または1往復
*「ラ/ップ」(平板)=包装 ラップフィルムの略
*「ラ/ップ」(平板)=リズム中心の音楽・歌唱手法
とありましたが、アクセント使用の実態は混在しているとの指摘が相次ぎ、「この項目を削除」ということになりました。
それから「リード」は、
*「リ\ード」(平板)=先行する・先導する、(新聞記事の)前文
とあったのですが、「(新聞記事の)前文」のアクセントは「平板」ではないか?とか、「放送でも『リード』は使う。新聞だけではない」などの意見が出たことから、この部分〔意味説明〕は削除となりました。
こうやって言葉(のアクセント)は、変わっていくのです。