新・ことば事情
4808「入り方」
最近よく耳にするようになった言葉に、サッカーの用語で、
「(試合の)入り方」
という言葉があります。2012年8月1日、ロンドン五輪の予選リーグ最終戦、「日本対ホンジュラス戦」の前に、NHKの工藤三郎アナウンサーが、ゲストの元・日本代表・宮本恒靖さんに、
「試合の入り方ですが・・・」
と尋ねると、宮本さんは、
「まず、いい守備で入りたいですね」
と答えていました。
この「入り方」を普通の言葉に訳すと、
「試合の始め方」「序盤の戦い方」
というような意味だと思いますが、なぜか「入り方」って言いますね。
これが「水泳」なら、「シンクロナイズドスイミング」とか「飛び込み」とかで、
「(水への)入り方」
と言うのはよくわかるのですが、サッカーの試合となると、少し変わった使われ方ではないかと感じます。私がサッカーをしていたころには言わなかった表現です。いつの間にやら広まってしまいました。Google検索(8月6日)では、
「入り方」 =292万0000件
「試合の入り方」 = 51万3000件
「サッカー、入り方」= 41万6000件
でした。そのなかに最近(2012年7月1日)の「スポーツニッポン」の記事、Jリーグガンバ大阪の記事で、松波監督の言葉としても出てきます。
『G大阪は前半20分までに3失点すると、後半も3失点。リーグ戦の6失点以上は96年5月4日の柏戦(1―7)以来、16年ぶりの屈辱スコアとなった。松波監督は「入り方が悪かった...」と嘆き』
いつの間に広まったんでしょうねえ。