新・読書日記 2012_144
『聴かなくても語れるクラシック』(中川右介、:2012、8、8第1刷)
この著者の「第九」を以前読んで面白かったので、ちょっと「いいのかな、こんなタイトルで・・」という本だが、読んでみた。最近、音楽関係の「完全な専門書」ではなく、音楽に興味のある一般の人の入門書的な本を、新書でよく目にするような気がする。
「国際的なビジネスをするならば、世界史の知識は不可欠だし、音楽(クラシック)の知識も不可欠」と著者は言う。それはそうでしょうね。日経から出ているので、「クラシックもビジネスだ」という章は、ビジネスに明け暮れるビジネスマンを、少しでもクラシックに引き付けようという意図が見える。また、本書でもチラッと触れているが、最近地方自治体が持つオーケストラを「不要だ」という首長の主張があるが、「本当にそれでいいのか?」という問いかけもしているのだと思う。「聴かなくても・・」と銘打っているが、やはり「聴かないと・・・」ということで、巻末には「最低限これを抑えれば」というところも紹介してあって親切。
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