新・読書日記 2012_150
『最高に贅沢なクラシック』(許 光俊、講談社現代新書:2012、6、20)
読み始めて、なんて嫌味なキザ野郎なんだと。しかし実はそれは、偽悪的なポーズではないかと感じた。帯には「都市と劇場の味わい方」と大きな文字が。
著者とともに香港、オーストリア、イタリア、ドイツ、フランスと「地元のオーケストラ」の音楽を求めて旅しながら、その地の音楽と音楽家、演奏家と町の紹介を交えつつ、本当に"知的な旅行"をしている気分になれる。しかし、たどり着いたのが、なんと日本・青森は六ヶ所村・・・。文明とクラシック音楽の関係について考えてきて、最終章が六ヶ所村。この地で行われた鬼神のようなポゴレリチの破壊的な演奏、私も聴いてみたかった。そしてまた、旅は始まる・・・。
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