新・ことば事情
4798「200mでも・・・200mではですね」
ロンドンオリンピック、3連覇を狙った競泳男子100m平泳ぎで、5位に終わった北島康介選手、レース後のインタビューで、こう答えていました。
「気持ちを切り替えて200mでも・・・200mではですね」
「でも」ではなく「では」、こう言い直すあたりに、北島選手の冷静さ、客観的に自分を見つめる姿が見て取れました。さすがです。
100mももちろん全力で頑張った。でも結果は5位と、いい結果を出すことはできなかった。200mでも頑張って100m以上の成績を残したい。当然そう考えているでしょうが、
「200mでも頑張る」
のつもりで、つい「でも」と言ってしまったが、国民が注目しているのは「結果」。そうすると、「でも」と言ってしまっては、
「100mと同じ残念な結果」
という意味になってしまう。そこで、「200mでは」と言い直したあたりに、「さすが」と思わせるものがありました。
ロンドンオリンピックでは、競技の内容と結果と合わせて、こういった「言葉」にも注目していきたいと思います。