新・ことば事情
4793「せびる」
ふと、思いました。
「せびる」
というのはいったいどういう語源なのだろうか?と。
「小遣いをせびる」
などの「せびる」です。
『精選版日本国語大辞典』で「せびる」を引くと、意味は、
「無理に求める。しいて頼む。せがむ。ねだる。せぶる。」
とあって、その前になんと、
「『せぶる』の変化した語」
とあるではないですか!「せぶる」、聞いたことがない。そこで「せぶる」を引くと、
意味は「→『せびる』」とだけなっていて、用例として「浮世草子・男色十寸鏡」(1687)や「洒落本・素見数子」(1802)から引いてあります。
ここでハタと思い付きました。
「『せぶる』の『せ』は『施』、『ぶる』は『振る』ではないか?」
「施」は「ほどこす」ですから「与えること」、「振る」は「まき散らす、配当する」というような意味だと考えれば、「せぶる」は、
「施しを与えるようせがむこと」
というような感じで、意味がつながって来ませんか?
いや、思いつきですから、ほんとかウソか知りません。「せがむ」の意味がどこから来たかわからないし。でもなんとなく通じるような・・・どうでしょうか?