新・ことば事情
4791「中高アクセントの320円」
「320円」
という金額を発音するときに、もともとは、
「サ\ンビャク・ニ\ジューエン」
あるいは、
「サ\ンビャク・ニ/ジュ\ーエン」
と発音していました。
しかし、最近よくコンビニなどで耳にするアクセントは、「中高アクセント」の、
「サ/ンビャクニジュ\ーエン」
です。このアクセントについて考えてみました。
「中高アクセント」は最近、よく使うから、それが指す金額が「安く」聞こえるということは、『平成ことば事情3765「1500万円のアクセント」』に書きましたが、先日、
「もしかしたら・・・」
と思ったことがあります。それは、
「安く聞こえるのは、実際に価値が下がっているからではないか?つまり『金額を指す言葉の価値』の相対的低減。金額の価値が下がったから、それをよく使う人が、そのことを敏感に感じて、アクセントによって『価値が下がった』ことを告げようとしているのではないか?つまり、『言葉のインフレ』ではないか」
という「思いつき」です。
「超」や「バリ」「めっちゃ」あるいは「神」、テレビ業界における「生」などの、いわゆる「強調語」が多用されるのも、
「言葉の価値が下がっている」
つまり、
「言葉のインフ現象」
なのではないでしょうか?よく、
「言葉に手あかが付いた状態」
というのは「言葉のインフレ」と言えるのではないか、と。
皆さんはどう思われますか?