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『道浦TIME』

新・ことば事情

4775「船鉾」

 

祇園祭が近づいてきました。

いや、近づいてきた・・・のではなく、本当はもう、7月1日に「祇園祭」は始まっているんですが。

しかし、やはり「祇園祭」と言えば「17日」の「山鉾巡行」がメインで、その前の数日の「宵山」「宵々山」が、夜店も出て楽しみです。

その「山鉾巡行」に出てくる32基の「山と鉾」の名前で、

「○○鉾」

という場合の「鉾」を「ほこ」と読むか、「ぼこ」と濁って読むかで、いつもアナウンサーは泣かされます。読売テレビでは、

「長刀鉾」=ぼこ=濁る

「月鉾」 =ほこ=濁らない

というところは毎年同じなのですが、それ以外の「鉾」がニュースに登場すると、いつも迷ってしまいます。今年質問を受けたのは、

「船鉾」

です。たしか昔、これは調べたような気が・・・と昔のノートを紐解いてみたら(ノートは「紐解く」でいいのかな?本じゃないけど)・・・ありました!1997年の7月に書き残したものが!これが今も通用するかどうかは分かりませんが、そこには、

「ニュースで『ふなぼこ』と読んだが、他局は『ふねぼこ』と読んでいた」

という記述があり、さらにその後に、

「『ふねぼこ』が正しいようです」

とも記されていました。

ところが今年のニュースではどうアナウンサーが読んだか?と言うと、

「ふねほこ」

と濁らずに読んでいました。なんか「ぼこ」と濁ると、

「かまぼこ」

みたいに感じてしまう気がします。

関西の各局の知り合いに聞いてみたところ、

(毎日放送)「船鉾」を、ここ数年、原稿検索をかけてみましたが、2010年に1度だけ出てきました。ルビは「ふねぼこ」と濁ってふってありましたので、そのままOAしていると思います。ちなみに「船鉾町」は「ふなぼこちょう」で読んでいたようです。

今後出てくるときは、取材先の言うとおりにするよう言ってありますので、よくお世話になる「月鉾」も、年によって先方の言うとおりにするので、「つきほこ」だったり「つきぼこ」だったりしています。「なぎなたぼこ」は常に「ぼこ」です。

(関西テレビ)「フネボコ」「ナギナタボコ」と読んでいます。 鉾についてはすべて「ボコ」で統一しています。

 

と、ここまで書いてほったらかしになっていて、717日。各紙夕刊を見てみると、ルビ(振り仮名)は、以下のとおり。

 

「山鉾」  「大船鉾」

(毎日新聞)やまほこ  おおふねほこ

(朝日新聞)やまほこ  おおふねほこ

(日経新聞)やまほこ

(産経新聞)やまほこ  おおふね(「鉾」にルビなし)

(読売新聞)やまほこ  おおふね(「鉾」にルビなし)

という結果でした。

 

(2012、7、17)

2012年7月17日 20:16 | コメント (0)