新・ことば事情
4772「赤ちゃんパンダ急死」
2012年7月5日に東京・上野動物園で生まれたパンダの赤ちゃんですが、7月11日の朝、死にました。午後1時25分に速報が出て、この日の「ミヤネ屋」は、
「パンダ一色」
になってしまいましたね・・・パンダは二色(白・黒)ですが。
なお、動物が死んだときには「死亡」「亡くなる」などは使わないということになっています。というのも、「亡」という漢字は「人間が死んだときだけ」に使うからです。実際は、上野動物園の張り紙にも、
「亡くなりました」
と使われていましたし、一般的には使われています。
それについては、過去に調べて書いた「平成ことば事情271 犬、死亡」をお読みください。また、『放送で気になる言葉2011』(ピンクの表紙の冊子)の22ページにも載っています。
パンダの赤ちゃんの死を伝えた翌日(7月12日)の各紙朝刊の表現は、
<見出し> <本文>
(読売)赤ちゃんパンダ急死 死んだ・急死した
(朝日)赤ちゃんパンダの死 無念 死んだ
(毎日)パンダ赤ちゃん肺炎で死ぬ 急死した
(産経)赤ちゃんパンダの成長見守りたかった 死んだ・生後4日で死亡(=タンタン)
(日経)パンダの赤ちゃん死ぬ 死んだ・死亡する例が・肺炎による死亡
というように、見出しでは「死亡」を使った社はありませんでしたが、本文では、産経と日経が「死亡」も使っていました。
今回、目立った表現は、
「急死」
です。これは、読売新聞と毎日新聞のほかに、日本テレビも使っていました。動物にも使えるのですね。
合掌・・・。