新・ことば事情
4767「深野」
深夜の関西ローカルのニュースを見ていたら、大阪の大東市で自動車事故が起きたというニュースを放送していました。その大東市の地名がスーパーでは、
「深野」
と書いてあったのですが、アナウンサーの読みは、「ふかの」ではなく、
「ふこの」
でした。一瞬、聞き間違いかな?とも思ったのですが、
「そういえば、そういう難しい読み方の地名があったな」
と、かすかな記憶で思い出し、あとで調べたらやはり正解は「ふこの」でした。翌日の新聞記事を見たら「深野(ふこの)」とルビを振ってある記事もありました。
こういう「一見、簡単そうに見えて実は難しい読み方の地名」は、特に気をつけなければなりません。これを読み間違えると、その記事全体の信頼性が揺るぎます。特に地元の人の信用は「ガタ落ち」です。
先日「平成ことば事情4743」で書いた、
「吉田(よした)」
も、そういった地名の一つです。市町村名の下の地名は全部を覚えることは難しいけれども、少なくとも原稿を読む前に、地名辞典でチェックすることを怠らないことですね。
一方で、関西のアナウンサーは、関西の「市町村名」に関しては、ちゃんと(地名辞典を引かなくても)読めるようにしておかなければなりません。「丹波篠山」の「篠山」を、
「しのやま」
などと読んでいるようではダメなのです、当たり前だけど。まず「デカンショ節」が歌えるようにならないといけない、次にデカルト・カント・ショーペンハウエルについて語れるようにならないといけない・・・と、そこまでは求めませんが。
あ、「篠山」は「ささやま」です。書くまでもないことですが。