新・ことば事情
4741「欠席理由」
甲南大学で半期(4~7月)ですが、「マスコミ言語研究Ⅰ」という講義を担当しています。ここ2年ほどは、講義の曜日が土曜日の午前中なので、17人~30人ぐらいと受講生の数が少なく張り合いがやや少ないのですが、ゼミのように対応できてリポートなどをチェックする数も少ないので、そういう意味では丁寧に授業ができます。「よしあし」といったところでしょうか。
そんな中、やはり学生さんも土曜日にいろいろと用事が入ることもあるようで、「欠席」します。でも人数が少ないので、
「あの・・来週、ちょっと欠席するかもしれないのですが・・・」
などと申し出てくれます。もしくは「出席カード」の裏に、「欠席の理由」を書いてあったりします。それを見て、「親?」・・・いや、「おや?」と思いました。そこには、こう書かれていたのです。
「所用があって欠席します」
・・・大学生の「所用」って何?と思って直接学生に聞くと、
「アルバイトです」
ええ!「アルバイト」を「所用」と書いて講義を休むの?と思って、
「何のアルバイト?」
と聞くと、やや言いにくそうに、
「大学のオープンキャンパスの受け付けのバイトで・・・」
と。まあ、それなら、しゃあないか。
別の男の子は、こう書いてありました。
「一身上の都合により欠席します。」
なんだよ、「一身所の都合」って。大学やめるんじゃないのか?
丁寧に書くときに、なんとも大げさな表現になるのだなあと。
大学生は、「社会人と学生のはざま」を行ったり来たりしているのかなあと思いました。