新・読書日記 2012_093
『日本を、信じる』(瀬戸内寂聴、ドナルド・キーン、中央公論新社:2012、3、11)
ともに1922年生まれ、90歳「卆寿」のお二人の対談。かたや日本人以上に日本人らしく、日本に帰化したドナルド・キーンさん、かたや、尼さんで作家、老いて益々さかん、瀬戸内寂聴さん。日本という国とそこに住む人たちを、現在につながる歴史の中で捉えてこよなく愛するお二人。帯には、『ともに90歳を迎える二人が、大震災で感じた日本人の底力、生きる意味、自らの「老い」と「死」について縦横に語り合う』と記され、金色の中尊寺をバックに撮った「ツーショット」の写真が使われている。大きな文字で、老眼でも読みやすい。大きすぎてちょっと恥ずかしいぐらい。「源氏物語」のすばらしさ、瀬戸内さんと三島由紀夫の交流、キーンさんが帰化を決めた理由などなど、確かに「帯にウソなし」、縦横に話していますね。
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