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『道浦TIME』

新・読書日記 2012_097

『日本語にとってカタカナとは何か』(山口謡司、河出ブックス:2012、4、30)

 

ひらがなもカタカナもなかった奈良時代、日本語は漢字で書くよりほかにも方法はなかった。しかし「五七調」の調べで書かれた和歌の音をひとつずつ漢字で宛てて書く「万葉仮名の歌」は、実はまるで「漢詩」を書いているように見せかける技でもあったのだ。(54ページ)

「表記」は「発音」を誘導する記号。ただし「言文一致」ではない。特に外来語。外国語に近い音の表記をすると、外国語に近い日本語とは違う音になってしまい、伝統的な日本語の音が崩れるのではないか?外国語として発音するのがよいなら、表記も原語表記すればよい。外来語として、日本語のカタカナ表記になった時点でもう日本語なのだから、日本語表記・日本語発音に従うべきではないか。読んでいてそう強く思った。

また、「五言絶句」と「七言絶句」は、日本語のリズムである「五七調」に影響を与えたのではないか?と言う風に感じた。

また、天才・空海と、秀才・最澄の関係、カタカナとの関係など大変勉強になった一冊であった。

 

 

 


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(2012、5、24読了)

2012年6月12日 18:27 | コメント (0)