新・読書日記 2012_-092
『ヘルタースケルター』(岡崎京子、祥伝社:2003、4、20初版第1刷・2012、5、26第26刷)
例の沢尻エリカ主演映画の原作漫画。300ページを越える大作。現代社会における「アンチエイジング」に対する疑問・・・というよりももっと深く、若さに対する人間(特に女性)の"性(さが)"=「人間の理性を失わせるほどの欲望」に対するアンチテーゼ。
しかし「若さ」を求めることをテーマにしたものの代表作としては、ゲーテの『ファウスト』が挙げられる。これは「永遠のテーマ」か。著者の岡崎さんはこの連載が終わってまもなく交通事故に遭って重傷、いまだにリハビリに取り組まれているという。
漫画でこんなに重いテーマに取り組むのはとても勇気が要るし、ものすごく深いことを考えている方なんだなあと改めて思った。その思いは、初版から足掛け10年で「26刷」というロングセラーという形で伝わっているのではないだろうか。
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