新・ことば事情
4725「巣蜜」
<2009年10月30日に書きかけたままになっていました。その時点では「平成ことば事情3899」>
「コムハニー」
という言葉を見かけました。日本語にすると、
「巣蜜」
だそうです。説明を読むと、
「巣蜜とは、豊かな自然の中で育った花の蜜をミツバチ達が巣に集め、完全熟成させ、最後に蜜蝋(ミツロウ)で蓋をした完熟蜜を巣から切り出したものです。」
とあります。しかし、そもそも「巣蜜」はなんと読むのか?どうやら、
「すみつ」
らしいのですが、「みつ」って訓読み?「肉」の「にく」、「菊」の「きく」という読み方が「音読み」なのと同じで、訓読みがなくて実は「みつ」は「音読み」では?
『新潮日本語漢字辞典』を引くと、やっぱり「みつ」は「音読み」でした。そうすると「巣蜜」は、
「そうみつ」
と読むのが、「湯桶読み」にならない読み方なのでは?と思っていたのです。「巣」は「す」が訓読み、「そう」が音読みですからね。
『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『広辞苑』『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』『新潮現代国語辞典』『新選国語辞典』『岩波国語辞典』
には「すみつ」「そうみつ」とも載っていませんでした。
ところが、また「巣蜜(すみつ)」を見つけました。
2012年5月15日読売新聞夕刊の「広告のページ」です。
「山田養蜂場」の広告です。宣伝文句は、
「蜂蜜の"自然そのまま"を商品化した『巣蜜(すみつ)』が人気を呼んでいる。」
として、
「ミツバチの巣をナイフで切り取り、ミツバチが貯めた金色に輝く蜜を巣房と一緒にいただこうというもの」
とあります。ちなみにお値段は、1箱(約340グラム)で通常価格が2205円なんだそうです。それにしても、
「巣房」
も見かけない言葉だな。蜂の巣は「房」のように見えますからね。シャワーヘッドの大きいヤツのようにも見えます。また今度、調べます。