新・ことば事情
4713「食言」
『ブラック・スワン降臨』(手嶋龍一、新潮社:2011、12、5)を読んでいて、初めてお目にかかった言葉に、
「食言」
があります。まったく意味が分かりませんでした。以下のような文脈。
「同盟国アメリカ大統領に食言し、首相の座を追われたのは初めてのことだった」(183ページ。)
鳩山元総理のことを指しています。辞書(『広辞苑』)を引いてみたら、
「<書経(湯誓)>(一度口から出したことばを、また口に入れる意)前に言った事と違う事を言うこと。約束をたがえること。うそをつくこと。」
簡単に言うと、
「うそ言うこと」「前言撤回」
ということですね。うーむ、教養のある言葉だなあ。「書経」ですからね、出典が。こちらの勉強不足が表れます。
状況によって言うことが変わることはあるかもしれませんが、政治家の場合は、「食言」したら、その「責任」をちゃんと取っていただかないといけない。説明責任もある。それを果たさなくては「プロの政治家」とは言えないのではないでしょうか。