新・ことば事情
4707「東京都知事」
「ミヤネ屋」の原稿・スーパーでは、
「都知事」「都内」
という表現は、できるだけ使わないようにしています。原則「東京」を入れます。(スペースの関係で省略することもありますが。)つまり、
×「都知事」→○「東京都知事」
としています。
なぜ、「都」ではなく「東京都」とするのか。その理由について書きます。
うち(「ミヤネ屋」)が「関東ローカル」の番組であれば「都内」「都知事」でよいと思います。しかし「全国ネット」です。しかも、発信している場所(=読売テレビ=大阪)は、東京都ではありません。それならはっきりと、
「東京都」「東京都知事」
とすべきだという考え方です。関東にある放送局でもないのに「都内」「都知事」を当たり前だとするのは、「東京一極支配」を何の抵抗もなく認めている表現であると考えています。
「東京都も47都道府県の一つに過ぎない」(「首都」ではあるが)
ということを、「大阪府」にある放送局から放送することで示すべきだと考えるからです。
また今回、石原慎太郎・東京都知事が尖閣諸島を「買う」と言ったのは、
「東京都」(=「都」)
が購入するのだと。これを「東京が買う」と言っている場合の「東京」は、
「日本の首都である東京=首都」
というイメージです。しかし実際には「東京都」の予算で買うということなので、そのあたり、「知事の発言の意図」と、「客観的に伝える」場合には、そこもきっちりと分けたほうが良いでしょう。パッと見たら「どっちでも、ええやん」というところでしょうが、「神は細部に宿る」、そういったところまできっちりと考えてやってる番組と、いい加減にやっている番組の違いは、毎日の積み重ねの中で「視聴者との信頼関係が築かれるかどうか」につながってくることと思います。
ま、いろんな考え方の人がいるでしょうから、私が絶対に正しいというつもりはありませんが。