4706「直会」
大学のゼミの恩師が亡くなりました。
その「お別れの会」があるので、出なくてはと思っていますが、そのあとでゼミの同期などが集まって一杯飲むのかなあ?と思い、東京に住む幹事に、
「直会(なおらい)はあるのでしょうか?」
とメールしたところ、こんな返事が。
「『直会』とは、遥か昔に耳にした遠い記憶のかなたにある言葉。さすが、道浦さん。
当日は、折角大勢が集まるので、即・解散は勿体ないと思っています。お別れの会はゼミ関係以外にも開かれたオープンな会ですが、恐らくはゼミ関係だけで場所を移して『直会』を催すことになるかと思います。ところで『直会』って、伊勢神宮の禰宜(ねぎ)の『渡会』(わたらい)と音が似ているけど、言葉の成り立ちに共通するものがあるのでしょうか?どちらも神道に関係しているし・・・・」
え?「直会」って言葉、使ったことない?私はよく「法事」などで耳にしますが。
そこで、こんな返事を送りました。
「『なおる』と『あう』がくっついて、『リエゾン』というかつながったのでしょうね。
『あう』が連用形で名詞化して『あい』になり、『なおる』の語尾『る』の母音『u』が脱落したのではないでしょうか?
『naoru ai』→『naor(u)ai』
という具合に。『渡会』も、構造は同じだと思います。」
それに対しての返事。
「直会、言わないです・・・・。 いや、私が使わないだけかな・・・。
私が『直会』という言葉を知ったのは、『新嘗祭』についての本を読んだ時かな。
これまで少なくとも「お通夜」や「告別式」とかなんだかんだの法事はざっと見積もって、軽く100件程度は出ているかと思いますが、そういった場で『直会』という言葉は聞いたことがないです。そもそも、パソコンで『なおらい』と打っても変換できません。
私は、もっぱら『お清め』と言ってきました。私が無知なのか、地域性があるのか。
伊勢神道の影響が強い『中部以西』で使われているとか・・・・・何かあるんですかね?」
そうか「地域差」があるのかもしれませんね。
一応『広辞苑』を引いてみたら、
「(ナオリアイの約。斎(いみ)が直って平常にかえる意)神事が終わって後、神酒・神饌をおろしていただく酒宴。また、そのおろした神酒・神饌」
とありました。やはり「神道」か。そうすると「仏事」に使うのは、本当は間違いなのかな。「お清め」も聞いたことはありますね。ネットの辞書「実用日本語表現辞典」というのを引いてみたら、
「お清め 【おきよめ】
本来は死の穢れけがれを払うという行為。死穢は伝染すると考えられ、これを払うために飲食を行った名残で葬儀後や通夜後の飲食を指して関東方面で使用されることが多い。 」
とありました。あ、関東で多いのですね、この言い方。
いずれにせよ東京に伺うつもりですので、幹事さんのYさん、よろしくお願いします。