新・ことば事情
4675「ヤマウドのアクセント」
「ヤマウド」
のアクセントについて質問を受けました。
「ヤ/マウ\ド」(中高アクセント)か?「ヤ/マウド」(平板アクセント)か?
という問題。私は「平板アクセント」ですね。『NHK日本語発音アクセント辞典』で「山○○」という単語は、
「山芋」「山犬」
しか載ってなくて、どちらも「平板」アクセントの、
「ヤ/マイモ」「ヤ/マイヌ」
もともとの「芋(イ/モ\)」「犬(イ/ヌ\)」は「尾高」。「ウ\ド」は「頭高」。
「ウ\ド」と同じ「頭高」のもので「山」とくっついているものはないか?と見ていたら、
「山姥」
がありました。
「ヤマウバ」
と読みます。(普通はなまって、「ヤ/マ\ンバ」と言いますが。)「姥(ウ\バ)」のアクセントは「頭高」です。
これが『新明解国語辞典』では「2」「0」となっているので、
「ヤ/マ\ウバ」(中高)、「ヤ/マウバ」(平板)
の順で載っていました。おそらくまず「中高」があって、それがだんだん「平板」に代わってきたのではないか?
『新明解日本語アクセント辞典』によると、なんと、
「ヤ\マウバ」「ヤ\マンバ」
と「頭高アクセント」になっています!そしてその後ろに、
「(新はヤ/マ\ウバ ヤ/マ\ンバ)」
と「中高アクセント」も「新しいアクセント」として載っています。「中高」の前に「頭高」があったのか!それがさらに「平板」に変わろうとしているのか?
「赤トンボ」が、
「ア\カトンボ」→「ア/カト\ンボ」
に変わったようなものか?
そうすると、「ヤマウド」も最初は「頭高」で、
「ヤ\マウド」
だった可能性がありますね。それが「ヤ/マ\ウド」「ヤ/マウ\ド」と「中高」になって、さらに「平板化」して、「ヤ/マウド」になったとか・・・。
アクセントの変化は、本当になかなか、ついていけない部分があります。