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『道浦TIME』

新・読書日記 2012_053

『絶望の国の幸福な若者たち』(古市憲寿、講談社:2011、9、5第1刷・2011、10、26第4刷)

 

去年の9月に出て、結構重版を重ねている。著者は1985年生まれ。ということは、今年27歳の大学院生。私が社会人になって2年目に生まれている。「私の子どもの世代」といってもいいぐらいの年回りだ。27歳でこんなに勉強してこんな本が書けるなんて、スゴイ。表紙が東野圭吾の『幻夜』にとても似ている。意識したのかな?「脚注」の書き方が、その昔の田中康夫『なんクリ』(『なんとなくクリスタル』)を髣髴させた。

周囲からは最近の若者は「かわいそう」といわれるが、当の「若者たち」の意見を聞くと「幸福度」「満足度」が高い、というのだ。ま、「覇気がない」とか言われるのでしょうが。小さくまとまっているとか。そういうものを大人たちが求めたのではないのか?

そもそも「若者」とは誰なのか?を探るところから話は始まる、それはスリリングな知の冒険である。読んでみて!

 

 


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(2012、3、13読了)

2012年4月11日 01:17 | コメント (0)