新・読書日記 2012_069
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(石井好子、河出文庫:2011、7、20第1版・2011、7、30第2版)
単行本は1963年10月、つまりほぼ「半世紀前」に出ている。(シャンソン歌手の著者は2010年に亡くなっています)それが2011年に文庫版で「復刻」(?)。エッセイスト賞も受賞し名著の誉れ高いこの本を、なんとなく購入して読んでしまった。1話、1話、楽しみながら読んだ。いろいろと発見があった。その意味では「本」というのは「タイムマシン」のようですよね。たとえば、
『シェフの資格がとれたらニューヨークで料理店をひらくという青年ダニーが黒一点でいた』(186ページ)
とあったが、「紅一点」の反対の意味での「黒一点」という表現、半世紀前から使われていたんだなあ。
「なんの本を読んでるの?」
と覗き込んできた妻に、タイトルを見せると、
「ふーん、オムツのにおいかあ・・・」
と。そんなわけないやろ!
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