新・読書日記 2012_054
『ブラック・スワン降臨』(手嶋龍一、新潮社:2011、12、5)
「ブラック・スワン」=黒鳥とは、不吉の象徴。「白鳥」に対する陰画。実際は1697年にオーストラリアで発見された。バレエ「白鳥の湖」でも、それこそ「悪魔」のような扱いである。それ以来「ブラック・スワン」は「ありえないこと」のメタファー(隠喩)となった。2001年の「9、11」から2011年「3、11」への10年、ブラック・スワンはニューヨーク・フクシマに舞い降りた・・・というところから始まるいくつかの物語(といってもノンフィクション)は、NHKワシントン支局長としての著者の取材に基づくもの10年の世界の動きである。国際社会を生き抜くときに必要とされる「インテリジェンス」とは?
同時代を生きているだけに「そうそう、あった、あった」と思うことや「あれはそういうことだったのか」と思うことなど、大変興味深いエピソード満載。昨年来「ミヤネ屋」ファミリーとなった手嶋さんに、たまたま私がいつも行く酒屋で見つけたオーストラリアのワイン、その名も「ブラック・スワン」を、「ミヤネ屋」出演後にプレゼントした。このワイン、なんとコルク(プラスティックだけど)も「黒」なのだ。喜んでくれたようだった。
「同盟国アメリカ大統領に食言し、首相の座を追われたのは初めてのことだった。」(183ページ)という一文に出て来る、
「食言」
という言葉、初めて知りました。勉強になりました。
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